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結核の検査方法ってどんなものがあるの?

結核は「発病」と「感染」がはっきりと分かれており、検査の方法もそれぞれ異なります。結核の発病を調べる検査として、胸部エックス線検査や痰(たん)などから菌を証明する菌検査などがあります。感染を調べるための検査としては、ツベルクリン反応検査インターフェロンガンマ遊離試験があります。
エックス線検査エックス線を当てることで肺などの臓器に異常な影がないかを確認します。影があれば結核をはじめ何らかの異常があると考えます。
菌検査痰(たん)や胃液などの中に結核菌が大量にあれば、痰を染色して顕微鏡で見つけることができます。また菌の量が少ない場合には、結核菌が生育する培地を使って菌が生えてくることを確認することもできます。さらに近年では結核菌の遺伝子(核酸)を調べる核酸増幅検査で、結核菌の有無や、治療に用いる薬剤への耐性を調べることもできるようになっています。培養検査は結果が出るまで2~8週間かかりますが、核酸増幅検査では1~2日で結果が分かります。
ツベルクリン反応検査ツベルクリンは結核菌が作るたんぱく質を集めた検査のための試薬です。結核菌に感染している人は、このたんぱく質に対して一種のアレルギー反応を起こします。ツベルクリンを注射した部分が赤くなったりしこりができる場合(ツベルクリン陽性)、結核に感染していると考えられます。ただし、ツベルクリン反応検査は結核に感染している人だけではなく、BCGワクチン接種を受けた人や非結核性抗酸菌に感染した人でも陽性になります(偽陽性)
インターフェロン-γ遊離試験
(IGRA検査)
IGRA検査は、血液を使って結核の感染を調べる検査です。IGRA検査では結核菌だけが持っているたんぱく質を利用することで、BCGワクチン接種やほとんどの非結核性抗酸菌の感染の影響を受けずに結核感染を調べることができます。